2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

大応仮名法語(十=終わり)

〇 病中の者に示す 病の中での工夫(くふう:心を尽くして修行に打ち込むこと)は、ただ心に物を懸けないことである。これは今生での祈祷であり、また来世での菩提(悟りの境地)である。これ以上のことはない。たとえ死の免れがたい状況であっても、必ず助…

大応仮名法語(九)

〇ここまでこまごまと書いて来たが、つまるところはただ、公案を一つ持って、どのように答えようかと思案されれば、答え方に思い至ることができるのである。そのようなことがある場合には、善知識(指導する師僧)の所へ行ってその様子を申し上げるのだ。師…

大応仮名法語(八)

(続)大恵禅師*が言うには、たとえ最後まで通らなくとも、般若(知恵)の中にあると言う。ただこの自分の身のことを思うのならば、自分の身を思わず、木石のようになりなさい。木人は人が打っても痛むことはなく、罵っても腹を立てず、非難しても怒らず、…

大応仮名法語(七)

(続)法華宗で[南無妙法蓮華経の]妙の字を説明するときには、妙とは心であると言う。このように心得れば、唱えなくとも常に念仏し、修行を行わなくとも自然と極楽の衆生である。これは教家*の言うところである。もし教外別伝**ということになれば、鏡…