2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

夢窓国師仮名法語(七)

綱州の退耕庵(1)に住まわれていたころ、ある人が来てこの住居の珍しいことに心がとまったことを和歌に詠んだが、その返歌に、 (1)千葉県いすみ市にあったらしい庵。そこからすると綱州は上総国をさすか。 めづらしくすみなす山のいほりにも こころとむ…

夢窓国師仮名法語(六)

瑞泉院の一覧亭で、雪が降った日に、 まつもまたかさなる山のいほりにて 梢につづくにはのしらゆき (松の木が重なるように生える山の庵で、その梢から庭までも白い雪が続いていることだよ。) 雪の中で、草木国土悉皆成仏(そうもくこくどしっかいじょうぶ…

夢窓国師仮名法語(五)

征夷将軍(その当時の亜相)ならびに厩(1)(足利義詮(よしあきら))が西芳寺に来られて仏法の談義をなさった後、庭前の二本の桜の木がすばらしいのを鑑賞された折に、人々が和歌を詠まれたときに、 (1)厩:馬寮の守。 いつも見ばかくめづらしき事は…