2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

月庵禅師仮名法語(十八=終わり)

〇 在家の人に示す 一切の道理は、自分というものがあるときに起こるので、自分を忘れるならば、いったいどんな道理がありましょうか。ただこれ、物事の成り行きに任せ、機縁に従うまでのことです。これは凡人の在り方でも聖人の在り方でもありません。また…

月庵禅師仮名法語(十七)

〇 在家の人に示す 仏が世に出られる所以のこの一大事は、天に先立ち地に先立ち、昔をはるかに過ぎ、今も超えています。凡人とか聖人とかの境地の中にはなく、考えや分別も及びません。これを名付けて不思議の法と言うのです。この法は、人々に具わっている…

月庵禅師仮名法語(十六)

〇 また示す 自分の心がもとより仏です。仏というのは、迷わない心を言うのです。迷わないところを悟れば、一切の仏や菩薩はすべて一心のうちに具わって、別の本体があるわけではありません。そうとは言っても、その徳(優れた性質)によって、しばらくの間…