2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

至道無難禅師「即心記」(7)

臨済禅師*について 己めが破戒の比丘(びく)**となる事は 仏祖を殺す***報いなりけり (自分が戒律を破る僧となる事は お釈迦さまや祖師がたを殺す報いなのである) *臨済禅師:臨済宗の開祖、臨済義玄禅師(生年不詳~867年没)。 **比丘(び…

至道無難禅師「即心記」(6)

夢ということを問う人に 寝ても夢おきても夢の世の中を 夢と知らねば夢はさめけり (寝ていても夢、起きていても夢であるこの世の中を 夢だと知らないのなら、夢は覚めてしまった) 多くの使用人をもつ人に 心得し道に使えば使う人の 誤ることは常になきなり…

至道無難禅師「即心記」(5)

一、仏道への志を強く起こして、山に入ろうと思っていた人に言った。尊いこころざしです。修行を怠りませんように。たとえ山の奥だからといっても、浮世の外というわけではありません。元の心を離れなければ、住むところを変えただけのことでありましょう、…

至道無難禅師「即心記」(4)

一、悟りというのは、念を滅ぼすことを言うのである。念でもって身が作られる。悟れば、生きながら身が無くなる。 一、大道に入る人で、確かな師匠に出会わず、自分の情念に苦しみ、財宝を好むことを苦しむ人がある。大きな間違いである。大道に志す人は、あ…

至道無難禅師「即心記」(3)

一、私が若かった頃、ある侍が使っていた童子が私に向かって、私の主人に断って私を弟子にして下さいと頼んだ。けなげに言うと思って、どうしてそうしたいと思うのか尋ねると、出家は世をわたるのに楽しかろうと言ったその一言に驚いた。この童子がこうした…

至道無難禅師「即心記」(2)

一、ある僧の弟子が昼夜座禅して、我と人の隔てもない、生き死にもないと言う。どんなことを悟ったのか問うと、かえって恐れて、私のような者の到達できる所ではありませんと言う。仮にも師匠は大事である。特に仏道は、師匠なくしては成就することは難しい…

至道無難禅師「即心記」(1)

*〔底本:公田連太郎(編)『至道無難禅師集」春秋社、昭和31年〕 *〔 〕はブログ主による補足。 [ ]は底本編集者による補足を表す。*はブログ主による注釈。原文はひらがなが多く、以下はあくまでもブログ主の解釈です。 ーーーーーーーーーーーーー…

このブログで書くこと。

このブログでは、古文で書かれている仏教の法語で現代語訳のなさそうなものを、いまの人も簡単に読めるように現代語訳して行きます。一つには自分の研鑽のために。一つには関心をもつ方の参考になればと。今は違いますが、以前5年ほど大手予備校系列で大学…