2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

永平仮名法語(道元禅師仮名法語)(七)

〇 大用 大用(だいゆう)というのは次のようなことである。仏や祖師も伝えない、向上の一路を歩み出て、生き死にの路を断ち切り、自分の風光(周囲に放つ働き)によって無明(むみょう、真理に暗い無知)を打ち破り、太陽が虚空高く昇って真理の世界を照ら…

永平仮名法語(道元禅師仮名法語)(六)

[「大悟」の項のつづき] 諸塵三昧(しょじんざんまい)というのは次のようなことである。諸塵(もろもろのちり)というのは煩悩のことである。また妄念のことである。三昧というのは定(じょう、乱れず定まっていること)という意味である。悟りの知恵の本…

永平仮名法語(道元禅師仮名法語)(五)

[「大悟」の項のつづき] 今の釈迦仏は、周の昭王(しょうおう)*十四年甲寅歳四月八日に王宮にて誕生され、同三十二年二月八日に十九歳で出家なされ、壇特山**に籠って道の修行をし、三十歳の時、十二月八日の明星が出た時に菩提樹の下で正覚(しょうが…

永平仮名法語(道元禅師仮名法語)(四)

〇 大悟 大悟(たいご)というのは、次のようなことである。心は本来、不生(ふしょう、生じたということがない)であり、法(真理)は本来、無法(むほう、説くべき真理はない)であり、煩悩は本来、これ菩提(ぼだい、悟りの心)である。心として求めるべ…

永平仮名法語(道元禅師仮名法語)(三)

〇 大疑 大疑(たいぎ、大いなる疑念)というのは次のようなことである。文殊菩薩は鋭利な剣を打ち振るって三世(過去・現在・未来)の諸仏を切り破れとおっしゃった。また、わが身は仏であると信じない者は、三世の諸仏を誹謗する者である。丹霞和尚*は、…