2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

盤珪禅師「盤珪仏智弘済禅師御示聞書 上」(8)

二十一 禅師はまた言われた。私がこの集まりで毎日毎日繰り返し繰り返し同じ事ばかりを言うのは、以前聞いた人は何度聞いても聞くほど確かになることはあっても、聞いて妨げになるということはありません。まだ聞いていない人が、毎日毎日入れかわりにやって…

盤珪禅師「盤珪仏智弘済禅師御示聞書 上」(7)

二十 禅師が仰った。ある和尚が私に言われたのだが、あなたも毎日毎日また同じ事ばかりを話さなくとも、合間には少しまた因縁話や故事物語などをもして、人の心がさわやかに入れ替わるように、説法を行われるのがよろしいと言われました。私はこのように愚鈍…

盤珪禅師「盤珪仏智弘済禅師御示聞書 上」(6)

十七 ある僧が尋ねた。私は熟睡した時に夢を見ることがございます。夢はどうしたことで見るのでしょうか。このことが承りたくございます。 師は言われた。熟睡すれば夢を見はしませんわな。夢を見るのは熟睡というものではない。 僧に言葉はなかった。 十八 …

盤珪禅師「盤珪仏智弘済禅師御示聞書 上」(5)

十四 また禅師が仰るには、私のところでは、ふだん不生の仏心でいよとだけ勧めて、別に規則といって特別に立てて勤めさせはしませんけれども、毎日線香十二本ずつは、皆が話し合って勤めよう(坐禅をしよう)*と申しますので、どのようにでもしなさいという…

盤珪禅師「盤珪仏智弘済禅師御示聞書 上」(4)

十二 禅師の所で、常に律院(戒律を厳守する寺)を設けて、律僧(律宗の僧侶)の人たちに夏(げ:一夏の間籠って修行すること)を過ごさせなさっていた。大結制(修行期間の初め)の時は律僧が五十三人いて、そのうち二人の僧が禅師に尋ねて言った。わたくし…

盤珪禅師「盤珪仏智弘済禅師御示聞書 上」(3)

七 ある人が尋ねて言った。みな人が申すには、禅師には他心通〔他人の心を読むことができる神通力〕があるというのですが、本当でありましょうか、と。 師は答えて言った。我が禅宗にはそのような奇怪な事はありません。たとえあっても、仏心は不生なもので…